いろいろなシステムを触って思ったシステム導入の難しさについて | ムノログ 合同会社ムジンケイカクプロのITノウハウブログ
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いろいろなシステムを触って思ったシステム導入の難しさについて

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EC(電子商取引・ネット通販)のシステムだと20くらい、カスタマイズと運用、設置経験があります。

たくさんのシステムに触ると、個々のシステムが抱える問題にも直面します。
結論として、こちらのやりたいことに対して完璧なシステムはひとつもなかったです。

クローズドシステムの謎

ECをやるにあたっても、どこかの会社が自社開発した特定業界内部のクローズドなシステムもあります。
広く流通していないシステムなので、ここでは非流通型システムとでも呼びましょうか。

参考リンク
「クローズドシステムだから大丈夫」
ちょっとクローズドの意味が違いますが、とても有益なお話ですのでどうぞ。

「クローズドシステムだから大丈夫」 私は仕事柄、情報セキュリティ推進の責任者の方とお話しすることが多いのですが、昔からよく聞かれる会話が「このシステムはクロー xtech.nikkei.com

速い時代に求められる柔軟性

直感的に「いいな」と思ったシステムを導入される方もいらっしゃいます。
新規起業時に非流通型システムを導入するパターンですね。
カスタマイズと運用の煩雑さに気がつくまで、約一ヶ月くらいでしょう。

これだけ時代のニーズやトレンドがコロコロ変わってしまう速い時代に生きていて、このシステムがいつまで通用するのか保証が全くありません。

そこでシステムをカスタマイズして合わせていくのではなく、システムにやり方を合わせることで柔軟性が生まれます。

非流通型システムの煩雑さ

私はこの非流通型システムに悩まされたひとり。
システムの中身が旧態依然としていたものばかりに出会ってしまった、運の無さもあります。

非流通型システムの中核となるプログラムは、今流行りのプログラミング言語ではないケースもあり、そうなるとカスタマイズしたくても技術者が限られます。

システムトラブルは必ず起きます。
特定の技術者の手が空いていないと、ちょっとしたトラブル対応もままならない。

時代の流れの速さとシステムの陳腐化

時代の流れの速さと共に、システムの陳腐化も速くなります。
非流通型システムは独自開発のためネット上に情報がなく、ちょっとしたカスタマイズや不具合時に存分に苦しみます。
技術者不足と情報不足が運用のネックになり、担当者も四苦八苦します。

非流通型システムでは、トラブルに柔軟に立ち回れるようにしておかないと、無用なコストがかかります。

システムが安定して動作し続ける期間は、想像以上に短いです。
iPhone使ってますか?
よくOSのアップデートありませんか?
あのくらい頻繁に修正をしなければいけないんです、システムって。

非流通型システムで達成される成果

非流通型の特定業界に特化したシステムは、新規開業時に利用者側に大きなコスト負担を求めてきます。

業界に「開業時には何百万も払うものなのだ」と暗黙のルールがあると、それに従ってしまう経営者はたくさんいらっしゃいます。
本当にその高額なシステムしかないのか?と疑問に思っていても、新米は黙って従うしかない状況があると言われたことが何度もあります。

どう考えても月額数千円のクラウドサービスで充分に対応可能なのに。

やり方を変えられない人々

非流通型システムもいいのですが、市場の将来が予測しづらい状況で生き残る方法は柔軟性
※これを書いた頃、まさか世界が未曾有のウィルス危機に陥るとは

あなたの目の前の非流通型システムに柔軟性があるでしょうか?
システムの減価償却期限なども考えると、、、と、この辺りは法に則る形でいいと思うので、IFRSとか詳しい方におまかせします。

この非流通システムに利用メリットがないとしたら?
仕事の進め方を変えてみることで、大きな金銭的なコストが浮くかもしれませんね。

非流通型システムのデメリットを考える

非流通型システムのデメリットは、作業の属人化、開発運用コスト高(開発・修正している間にも世の中のトレンドも変わる)になります。

運用コストはしっかり見積もっていても、時代を完全には読めません。
カスタマイズやトラブルで、予想外にお金がかかります。

上記の理由から、広く流通しているサービスを最初は使ってみるのをお勧めします。

大昔、独自開発モノ大賛成だった私

非流通型システムも含め、独自開発っていうのに魅力を感じてしまっていたんでしょうね。
オリジナリティバンザイです。

独自開発のシステムじゃないとやりたいことができない!
当時はそう思い込んでいました。
そもそも考え方がダメ。

既存システムでできることにやりたいことを合わせて、柔軟性を持って対応する。
流行りのやり方を身に着けて、今できることをやりきるのが重要とわかるまでの高額な勉強代…。

システムは独自開発でないと他社に情報を提供する形になる、これが嫌だ!
当時はそう思っていたのですが、業務委託さんと契約して社内で作業してもらっていても、情報流出のリスクは変わらない。
クレジットカード決済機能を入れれば、外部にそれなりの情報が流れる。
データベースがあって、どこかの会社の用意したサーバにあるとすると、データはいつでも盗られるかもしれない。
どのみち、他社に情報ダダ漏れじゃないか。。。

▼まだ開発するの?

今でも自分で開発しているシステムは複数あるのですが、それは本当に自分でやりたいから。

それやったらどんだけ売上出るの?

会社員としてある程度の売上を出せていた時期によく思ったのが、システム開発や移行カスタマイズを考える際に、本当に目の前のシステムで不可能か考えきったのかどうか。

どの会社さんにも必ず言うのですが「カスタマイズ依頼する前に、別のやり方でやりたいことできてませんか?」と。
※これが元で当初の案件相談が解決してしまい案件がすっ飛ぶ

独自開発を志す方に、情報不足やアイデアが足りてない場合や、発想の転換が足りない場合が多いのです。

既存の流通しているサービスを上手に組み合わせれば、大抵のことはできると経験からわかったんですね。

例えばカスタマイズしたらいくら売上上がるのかと質問されて答えられないなら、カスタマイズの必要性がないはずです。

セキュリティ観点からの賛成の反対

セキュリティ業務に携わって3年程度経過した頃、セキュリティというのは何を受容するか、どこまで許してどこを許さないかの加減であると認識しました。
リスクは受容しつつ、もしもに備える。

知識がついてくると、外部サービスもしっかりとした取り決めを持って契約すれば良しとなってきます。

独自開発の名のもとに、情報の取り扱いに神経質になりすぎて何もできなくなっていた当時の私。
リスクやコストが高くなる独自開発は、セキュリティ面からも敬遠するようになりました。
様々なシステムに触ってきたが、独自開発システムのメリットをもうそれほど感じない。

世の中の既存システムを使ってやりたいことができるか、可能性は充分に模索すべき。
システムのカスタマイズよりも、人間の柔軟な対応力が問題を解決します。