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Claude Codeを「育てる」プラグイン「claude-smart」を海外ソースで検証|Windowsインストール実録

対象環境: Claude Code(デスクトップアプリ版・CLI版)、Windows x64。claude.ai ウェブ版・モバイルアプリは対象外です。

SNSで「Claude Codeが完全に自己改善可能になるプラグインが海外でバズ」という投稿が拡散しています。 名前は claude-smart(ReflexioAI製)。「指摘を再利用できるルールに自動変換」「トークン消費を約70%削減」という触れ込みです。

本記事では、GitHub の一次ソースをもとに内容を検証し、Windows 環境への実際のインストール手順まで記録しました。


検証結果サマリー

SNS投稿の主張 検証結果
指摘を「再利用できるルール」に自動変換する ✅ 正確。ライフサイクルHookで自動抽出
「npm test --run を付けろ」級まで具体化する ✅ 正確。Preference / Skill の2層構造
プロジェクトを跨いで学習を持ち回せる ✅ 正確。グローバルPlaybook + プロジェクトProfile
トークン消費を約70%削減 ⚠️ 数値が異なる。GitHubの実測値は「~50% more guidance retained」「~2.7× quality向上」
「完全に自己改善可能」 ⚠️ 誇張。正確には「修正をルールに変換してPlaybookに蓄積」する仕組み

検証①:実在するか

実在します。

外部APIコールは一切なく、すべてのデータはローカルに保存されます(~/.reflexio/)。


検証②:仕組みの本質

Memory との決定的な違い

Claude Codeには標準でMemory機能がありますが、claude-smart はまったく別のアプローチを取ります。

従来のMemory:  「何が起きたか」を保存 → 記録
claude-smart:  「次にどう動くか」のルールを生成 → 行動変容

ユーザーの指摘・修正をHookが自動キャプチャし、セッション終了時(または /claude-smart:learn 実行時)に構造化されたルールとして抽出します。

3層のデータ構造

スコープ 内容
Preference プロジェクト固有 このリポジトリでの作業スタイル
Skill グローバル どのプロジェクトでも使える汎用ルール
Session Buffer 一時 現在のセッション中の操作ログ

Playbook(SkillとPreference)は蒸留・重複排除されるため、プロジェクトが育っても数十〜数百トークンに収まります。

設定される Hook の種類

インストールすると以下の6種のHookが自動追加されます。

Hook タイミング 役割
SessionStart Claude Code起動時 バックエンド自動起動
UserPromptSubmit ユーザー入力のたびに 入力を記録
PreToolUse Edit / Write / Bash の前 操作前の文脈を記録
PostToolUse 全ツール実行後 操作結果を記録
Stop 応答終了時 ルール抽出・Playbook更新
SessionEnd セッション終了時 セッション総括・クリーンアップ

デメリット・懸念点

課金への影響

claude-smart 自体は無料で、外部APIへの課金は発生しません。
ただし、蓄積したPlaybookルールを毎セッション開始時にコンテキストへ注入するため、Claude Codeのトークンを消費します。Claude Code Proプランなら実質影響は軽微です。

システムリソース

項目 内容
RAM常駐量 200〜400MB程度(FastAPI + SQLite + ONNXモデル)
初回ダウンロード 約86MB(all-MiniLM-L6-v2 埋め込みモデル)
ツール実行ごとの遅延 Hook通信により数十ms追加
占有ポート 8071(バックエンド)

動作が悪化したら

誤った修正がルール化されると逆効果になります。その場合は /claude-smart:clear-all でリセットできます。


Windows 環境での注意点

対応状況

環境 対応状況
Windows x64 ✅ 完全対応
macOS Apple Silicon(14+) ✅ 完全対応
Intel Mac / macOS 13以前 ❌ 非対応
Windows ARM ❌ 非対応

Python バージョン

claude-smart は Python 3.12+ を要件としています。uv がインストール済みであれば、uvx 経由でインストールすることで uv が自動的に必要なバージョンを管理します(システムの Python は変更されません)。


実際にインストールした(実践レポート)

Step 1:uvx でインストール

uvx claude-smart install

141パッケージがインストールされ、プラグインが有効化されました。
~/.claude/settings.jsonenabledPluginsclaude-smart@reflexioai が追加されます。

{
  "enabledPlugins": {
    "claude-smart@reflexioai": true
  },
  "extraKnownMarketplaces": {
    "reflexioai": {
      "source": {
        "source": "github",
        "repo": "ReflexioAI/claude-smart"
      }
    }
  }
}

Step 2:シンボリックリンクの修正(Windows 特有の対処)

インストール完了後、以下の警告が表示されました。

WARNING: failed to set ~/.reflexio/plugin-root symlink — slash commands may not resolve

~/.reflexio/plugin-root に空のディレクトリが残っており、シンボリックリンクを上書きできなかったのが原因です。Git Bash の ln ではパスが長すぎてシンボリックリンクを作れないため、PowerShell で対処しました。

$target = "C:\Users\<username>\.claude\plugins\cache\reflexioai\claude-smart\0.2.31"
$link   = "$env:USERPROFILE\jupyter\.reflexio\plugin-root"

Remove-Item $link -Recurse -Force
New-Item -ItemType SymbolicLink -Path $link -Target $target

注意: Bash のホームディレクトリ($HOME)が C:\Users\<username>\jupyter\ になっている環境では、.reflexio の保存先が C:\Users\<username>\jupyter\.reflexio\ になります。環境によって異なる場合があります。

Step 3:CLAUDE.md にリセットルールを追加

動作が悪化した際に即座に対応できるよう、グローバルの ~/.claude/CLAUDE.md にトリガーワードを追加しました。

## claude-smart リセット

ユーザーが以下のような言葉を発した場合、即座に /claude-smart:clear-all の実行を提案すること:
- 「動作がおかしい」「変なルールが入った」「おかしくなった」
- 「リセット」「初期化」「claude-smartをリセット」
- Claude が同じ間違いを繰り返していると感じられる場面
リセット後は /claude-smart:learn で再学習を促す。

Step 4:Windows ログイン時の常駐化(Task Scheduler)

バックエンドはデフォルトでセッション間も起動したままになります(CLAUDE_SMART_BACKEND_STOP_ON_END=0)。
PC再起動後も自動で起動するよう、タスクスケジューラに登録しました。

# 起動用バッチファイルを作成
$batPath = "$env:USERPROFILE\.claude-smart\start-backend.bat"
$batContent = @"
@echo off
"C:\Program Files\Git\bin\bash.exe" -l -c "/path/to/backend-service.sh start" > "%USERPROFILE%\.claude-smart\startup.log" 2>&1
"@
Set-Content -Path $batPath -Value $batContent -Encoding ASCII

# タスクスケジューラに登録
$action   = New-ScheduledTaskAction -Execute $batPath
$trigger  = New-ScheduledTaskTrigger -AtLogOn -User $env:USERNAME
$settings = New-ScheduledTaskSettingsSet -ExecutionTimeLimit (New-TimeSpan -Minutes 2) -StartWhenAvailable
Register-ScheduledTask -TaskName "claude-smart-backend" -Action $action -Trigger $trigger -Settings $settings -Force

インストール後の全体構成

Claude Desktop App(Windows)
├── Plugins(グローバル)
│   └── claude-smart@reflexioai → Hooks 6種を自動追加
├── バックエンド(常駐)
│   └── localhost:8071(FastAPI + SQLite + ONNX)
├── データ
│   ├── ~/.reflexio/reflexio.db  → 学習データ(SQLite)
│   └── ~/.claude-smart/         → セッションバッファ
└── Task Scheduler
    └── claude-smart-backend     → ログイン時に自動起動

主なコマンド

Claude Code セッション内で使えるスラッシュコマンドです。

コマンド 内容
/claude-smart:show 蓄積済みルール・プリファレンスを表示
/claude-smart:learn [note] 今のセッションを即学習
/claude-smart:clear-all 全データをリセット
/claude-smart:restart バックエンドを再起動
/claude-smart:dashboard ブラウザで管理画面を開く

まとめ

claude-smart は SNS 投稿の主張通り実在するオープンソースのプラグインです。「完全に自己改善」「70%削減」は誇張ですが、修正をPlaybookルールとして構造化し、次のセッションから行動変容させるという仕組み自体は実用的です。

Memory が「記録」なら、claude-smart は「教育」に近いアプローチです。

Windows 環境では Python バージョンと Git Bash のシンボリックリンク制限に注意が必要ですが、uvx と PowerShell で回避できます。

動作が悪化したときは /claude-smart:clear-all でリセット、/claude-smart:learn で再学習という運用で対応できます。


参考資料