本記事は2026年3月時点のX投稿を基にまとめた記録です。末尾に主要トピックのその後の動きを追記しています。
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2026年3月は、Perplexityの「Computer」がデバイス横断で本格展開した月でした。AnthropicはClaudeの長期利用パターンを公開し、GoogleはGeminiを地図や音声体験に深く統合しました。Cursor、NVIDIA、Metaなどのコーディング・基盤モデル領域も大きく動いた1か月の動向を、公式アカウントの投稿をもとに整理します。
Perplexity Computer がPro・モバイル・パートナー展開で本格普及へ
Perplexityは3月、エージェント環境「Perplexity Computer」をPro契約者向けに提供開始しました。20を超える先進モデル、あらかじめ用意されたスキルとカスタムスキル、数百のコネクタを統合的に扱える環境で、Maxプランでは月次クレジットと高い利用上限が割り当てられます。
さらに同月、Perplexity ComputerはiOS向けに提供開始され、デスクトップで始めたタスクをスマートフォンから管理する、といったクロスデバイスでの同期運用が可能になりました。Android版も準備中とされています。搭載モデルとしてはNVIDIAの「Nemotron 3 Super」がPerplexity、Agent API、Computerの各環境で利用可能となり、選択肢がさらに広がりました。
Perplexityの存在感は他社製品にも及び、Samsung GalaxyのSamsung BrowserおよびWindows版で動作する「Browsing Assist」のエンジンとして採用されたことも発表されています。検索エンジンの枠を越えて、エージェント基盤としての立ち位置が鮮明になった印象です。
Anthropic、ユーザー研究とClaude Code Auto Modeの内部設計を公開
AnthropicはEconomic Indexの最新レポートで、Claudeを長く使うユーザーほど挙動が変わっていく傾向を示しました。経験のあるユーザーはClaudeに全権を委ねるよりも、慎重に対話を重ねて反復していく傾向が強く、その上でより価値の高いタスクに挑戦し、結果として成功率の高い応答を引き出していると報告されています。
同月のエンジニアリングブログでは、Claude Codeの「Auto Mode」の設計についても詳しく解説されました。多くのユーザーが許可プロンプトを省略してClaudeに作業を任せている実態を踏まえ、無制限の自動実行と毎回の確認の中間として、承認判断を肩代わりする分類器を構築・検証した経緯が紹介されています。安全性とスピードを両立する現実解として注目すべき内容です。
OpenAIも同時期に、研究者w01feがPodcastに登壇し、モデルの振る舞いを定義する公開フレームワーク「Model Spec」について議論を展開しています。AIに何を「させるべきか/させるべきでないか」を共通言語化する動きが、各社で続いていることが分かります。
Google、GeminiをMaps・AI Studio・音声体験に深く統合
GoogleはGeminiをGoogle Mapsに組み込み、「火曜日の夜に空いていることが多い、照明の良いピックルボールコート」のような自然言語の複雑な条件に対し、3億件以上の場所情報を横断する多段推論で応えるユースケースを紹介しました。「Ask Maps」やImmersive Navigationなど、地図体験そのものを刷新する取り組みです。
音声面では、より高品質な体験と低遅延、自然な対話を目指した「Gemini 3.1 Flash Live」が登場し、デスクトップ版Gemini Appのアップデートも併せて発表されました。開発者向けにはGoogle AI Studio上で10分以内に完全に動作するWebサイトを「vibe coding」で構築するデモも公開され、自然言語からのアプリ構築のハードルがさらに下がっています。
Google DeepMindは、AIによる操作・誘導(manipulation)を実環境で計測するための実証済みツールキットを公開しました。生成AIが人々に与える影響を可視化し、悪用から保護する基盤としての位置づけです。
コーディングエージェントと基盤モデルの進化が加速
Cursorは、クラウドエージェントを自社インフラ上で動かせる構成を提供開始し、同等の体験を保ったままコードとツール実行を社内ネットワークに閉じられるようになりました。さらにComposer 2のテクニカルレポートに続き、リアルタイムRLによって5時間ごとに改善版のチェックポイントを配信できる体制についても追加情報が共有されています。Cognitionも、エージェントが自発的に作業を始める「proactive engineering」への移行を語っており、エージェント開発の前線が動いています。
NVIDIAはJensen Huang氏がMistral、Black Forest Labs、Cursor、LangChain、Perplexity、Reflection AI、Thinking Machines、Allen AI、Evidenceopen、AMP PBCのリーダーとオープンモデルの台頭について議論する場を設けました。同社はFast Companyの2026年「世界で最も革新的な企業50社」でコンピューティング部門1位、総合2位に選ばれています。MetaはSAM 3.1を公開し、object multiplexingにより精度を落とさず動画処理効率を高める更新を行いました。
日本勢ではSakana AIが、Sakana Chatに搭載した新LLMシリーズ「Namazu」の名称について、かつての全文検索システム「Namazu」を想起する利用者からの意見を受けて説明を出しています。クリエイティブ領域ではSunoが自分の声を使った音楽生成を実現し、Runwayは賞金最大10万ドルの#RunwayBigAdContest「Coconut Crunch」ブリーフの応募を4月1日まで受け付けています。
まとめ
2026年3月は、Perplexity Computerのマルチデバイス展開、Claude Code Auto Modeの内部公開、Gemini × Mapsの多段推論など、AIが「使う環境そのもの」に染み出していく動きが顕著でした。同時に、長期ユーザーの行動研究や操作影響の計測ツールキットといった、利用と安全性を見直す動きも揃って表面化しています。エージェントとモデルが急速に強化される一方で、人がどう関わるかという問いが並走して進んでいる、そんな1か月だったと言えそうです。