はじめに|アクセス数より重要なのは「誰が来ているか」
「自社のコーポレートサイトを運用しているが、問い合わせが増えない。むしろ悪くなっている。」
「SEO対策初心者で、独学でSEOに取り組んでみたものの、成果が出ているのか実感がない。」
あるいは、「Webサイトの存在意義そのものが社内で議論されなくなっている。時折議論になることといえば、SNSを頑張ろうなどという抽象的な内容に終止している。」
こうした課題を抱えるWeb担当者や経営層は少なくありません。
本記事は、「アクセス数は少ないのに問い合わせが来る会社があるのはなぜか」という疑問を出発点に、成果につながるSEOとは何か、コーポレートサイトはどうあるべきかを考える内容となっています。
企業のWebサイトは、単に情報を掲載する場ではなく、営業や信頼構築に貢献する戦略的な資産です。その本質を再確認し、アクセス数に依存しない成果の出し方を、実務的な視点で整理していきます。
本記事は、コーポレートサイトのSEO対策とは?を考える記事となります。
アクセス数だけでは測れない成果
企業がWebサイトを運用する上で、最も多く設定されている目標の一つが「アクセス数の増加」です。しかし、アクセス数の増減だけでは、サイトの本質的な価値や営業効果を測ることはできません。
悪い例として、法人向けで個人ユーザーに対応していないサービスであるにも関わらず、アクセスしてくるのは個人ユーザーばかりというのは、決して珍しい事例ではありません。
特にBtoBのコーポレートサイトでは、少数の高意欲ユーザーからの問い合わせや資料請求が売上に直結するため、アクセス数そのものよりも、どのようなユーザーが来訪しているかを重視すべきです。
少ないアクセスでも成果につながるケース
実際に、1日のアクセス数が5件前後でありながら、月に3件、単価100万円以上1000万円以下の案件に結びついている企業も存在します。こうした事例は、目的を持ったユーザーに対して適切な情報を届ける設計ができているからこそ、成果が生まれています。
このような結果は、単に記事を量産したりSNSを更新したりするだけでは得られません。明確なターゲット像に基づき、導線を考えたサイト構造と信頼性のあるコンテンツ設計が前提となります。
よくある現場の課題
一方、以下のような現場の声が聞かれることも少なくありません。
営業担当者からは「名刺代わりでしか使っていない」と言われ、実質的にWebサイトが放置されているケース。
経営者からは「Webサイトはあるものの、まったく問い合わせがない」といった悩み。
これらに共通しているのは、サイトを通じて何を達成したいのかが曖昧であること、そしてユーザーとの接点をつくる仕組みが不足している点です。
本記事の目的
本記事では、コーポレートサイトのSEO対策において、「アクセス数に依存せず、成果に直結するサイトをつくる」ための考え方と実務的な施策を解説します。
具体的には、以下の要素を中心に構成していきます。
- ユーザー導線を意識した構造設計
- 信頼を高めるコンテンツの条件
- 無駄な露出を抑えたキーワード戦略
- チャネル間の連携による接触機会の創出
- 技術面でのSEO最適化と維持管理
アクセス数を目的にするのではなく、「誰にどのような行動を起こしてもらうか」を明確にし、企業の目的に合致したサイト構築・運用を実現するための一助となれば幸いです。
不特定多数のユーザーを集める観点だけではなく、少数精鋭の考え方もSEO対策とサイト維持には必要です。
コーポレートサイトと一般サイトの違い
名刺代わりのサイトで終わらせないために
多くの企業が運用しているコーポレートサイトは、会社概要や理念、代表メッセージ、サービス紹介といった基本情報を掲載することに終始している。しかし、これらの情報だけではユーザーとの接点は生まれにくく、成果につながる行動を引き出すことは難しい。
特にBtoBにおいては、Webサイトが商談機会の起点となることも多いため、単なる情報掲示板ではなく、営業活動に寄与する構造設計が求められる。
思い出される存在であることが成果につながる
中小企業や専門性の高い業種においては、テレビCMや大規模な広告出稿による認知獲得は現実的ではない。そうした制約の中でも成果を出している企業には共通点がある。それは、ユーザーとの接触頻度を自力で設計していることである。
一度見ただけでは記憶に残らない。だからこそ、何度もユーザーの目に触れる仕掛けが重要となる。たとえばSNSでの定期発信や、専門性の高いブログ記事による検索流入など、継続的な接点を作ることが「思い出される企業」への第一歩となる。
指名検索は信頼の表れ
企業名やサービス名を検索する「指名検索」は、既に関心を持ったユーザーによる行動であり、問い合わせや資料請求につながる確率が高い流入チャネルである。指名検索を促すためには、ユーザーの記憶に残りやすい情報設計と、再訪を前提とした接点の設計が不可欠である。
指名検索を意識したSEO設計は、企業ブランドの想起を促すと同時に、比較検討フェーズに入ったユーザーに選択肢として残り続けるための戦略でもある。
チャネル設計はコーポレートサイトを基点に考える
コーポレートサイト単体でユーザーを惹きつけるのではなく、外部チャネルとの連携を前提とした設計が基本となる。
SNSは親しみや透明性を伝える媒体、ブログは専門知識の蓄積とSEO流入、LPは最短距離でのCV導線といった役割分担を明確にし、すべての流れが企業サイトに着地するように設計する必要がある。
こうした一貫した構造があってはじめて、サイトは「名刺代わり」から「成果を生む営業資産」へと変化する。
成果につなげるためのサイト構造と導線設計
構造は「選ばれやすさ」に直結する
SEO対策というと、キーワード選定やコンテンツ内容に意識が向きやすい。しかし、構造と導線の設計こそが、成果に最も直結する要素である。
特にBtoBのコーポレートサイトでは、資料請求や問い合わせといったコンバージョンが明確に設定されており、ユーザーがどのページから訪れて、どの経路をたどるかが成果を左右する。サイトの構成そのものが、ユーザーの判断を支援できるかどうかの分かれ目となる。
メニュー構成は絞り込む
訪問者が迷わず目的の情報にたどり着けるよう、メニュー構成は最小限に抑えるべきである。選択肢が多すぎるとユーザーは混乱し、離脱の要因となる。また、行動分析が複雑化し、改善の手が打ちづらくなる。
カテゴリ構成についても同様に、過剰に細分化しないことが重要である。一部カテゴリだけに記事が集中すると、カテゴリ間のバランスが崩れ、SEO評価が偏る原因になる。
内部リンクと回遊性の設計が鍵となる
ユーザーがどのページから来ても、必要な情報にたどり着けるように設計することが求められる。単独で完結した記事であっても、関連情報への内部リンクを適切に配置することで、コンバージョンへの導線をつなぐことができる。
たとえ優れたコンテンツであっても、サイト内で孤立している状態では評価もされず、成果も生まれない。回遊を促進する構造が不可欠である。
カテゴリとパンくずリストの整合性
パンくずリストは、ユーザーの位置認識を助ける要素であり、回遊性向上にも効果がある。ただし、SEOのためだけに無理に設置することは避けるべきである。
カテゴリ構造と一致していない複雑なパンくずの運用も見かけるが、ページ内の構造が複雑になり、見た目にも混乱を招く。
構造設計とカテゴリ分類は、情報設計・UX・SEOの三点すべてに影響する領域であり、初期設計段階から慎重に組み立てるべきである。
ユーザー行動の可視化と導線改善
サイト改善には定性的な分析が欠かせない。特に、ヒートマップなどの可視化ツールを使って、ユーザーがどこで興味を失い、どの要素で行動を迷っているのかを把握することが有効である。
実際に、CTA直前の離脱が多いページでは、見出しやボタンの配置・文言を変更することで、コンバージョン率の改善につながったケースもある。見た目の構成ではなく、実際の行動結果に基づく改善こそが成果に直結する。
SEOで失敗しないための技術的ポイント
技術的なミスは評価全体に影響を与える
SEOの成果が出ない原因の多くは、コンテンツではなく技術面における基本的な設計ミスである。特に独自CMSや自社開発システムを利用している場合、意図せず構造上の問題が発生しているケースが多い。これが業界大手のシステムでも起こっているから気をつけなくてはならない。
代表的な例としては、URLの不統一、パラメータ付きの重複ページ、意味のない動的出力などが挙げられる。これらはクローラーのリソースを浪費し、サイト全体の評価を引き下げる要因となる。
CMSとサーバーの挙動を把握する
見た目上の不具合がなくとも、CMSやサーバ側で自動的に生成されるURLや階層構造が、SEOに悪影響を与えているケースは少なくない。ページごとに異なるURLが生成される設計、または不要なページが量産される仕様は、検索エンジンからの信頼を損なう原因となる。
対策としては、日々のサイト内のチェック以外には、修正の自由度の高いCMSを選定すること、対応力のある業者を選定すること、あるいは仕様レベルで出力制御を可能にする開発体制を整えることが重要である。
構造化データとパンくずは検索エンジン向けに設計する
構造化データやパンくずリストは、検索エンジンに対して正確なページの意味と階層を伝えるための設計要素である。ユーザーの利便性だけではなく、検索エンジンの理解精度を高めるという観点からも、設計段階での明示が必要となる。
ただし、構造化データを機械的に挿入するだけでは意味がなく、ページごとに内容と整合性を持たせることが前提条件となる。
やっていて思うのは、システムに依存してしまって、理想のカスタマイズができない例が多いこと。
現状でできる範囲の最大を狙うのは、確かに疲れる作業だが、必須の作業でもある。
表示速度は速ければ良いわけではない
表示速度の高速化は重要な要素だが、極端な高速化を追求することが必ずしも成果に直結するわけではない。特に画像や動画を多用するページでは、表示を最適化しつつ、ユーザー体験を損なわないバランスが求められる。
たとえば、WebP形式の画像利用、遅延読み込みの適用、ファイルサイズの最適化といった対応は、読みやすさと表示の安定性を両立させるうえで有効である。
表面的な改善では限界がある
SEOはコンテンツだけの施策ではなく、システム・設計・構造の全体最適を伴う分野である。見た目の構成が整っていても、内部で誤った自動生成や階層矛盾がある場合には、サイト全体の検索評価に影響を及ぼす。
初期設計の時点から、運用と改善を見越した技術的管理ができているかどうかが、長期的な成果を左右する。
コンテンツは誰が何のために書いているかを明示せよ
顔の見えない情報は信頼につながらない
企業サイトでどれだけ正しい情報を提供していても、それを誰が書いたのかが明示されていない場合、ユーザーは内容の信頼性を判断できない。特にBtoBにおける問い合わせや資料請求といった成果を求める場合、責任の所在や発信者の立場も重視される。
たとえば、技術的な解説記事であれば、その分野の担当者や専門知識を持つ社員の名前があるだけで、内容への信頼度は大きく向上する。
著者情報と監修体制の明示が必要
読者は「その情報がどこから来たか」を無意識に確認している。したがって、執筆者の氏名、肩書、専門領域、実務経験の有無といった情報を、コンテンツ内または著者プロフィールとして必ず提示すべきである。
また、専門性の高い情報を扱う場合には、監修者の設定とその略歴の公開も有効である。こうした情報は、SEOにおいてもE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)の観点で評価対象となる。
誰の体験・視点から書いているのかを明確にする
汎用的な記事構成やテンプレートだけに頼った場合、情報はあっても「誰の目線で何を伝えようとしているのか」が曖昧になる。
結果として、読者は自分に関係のある話だと感じられず、離脱率が高まる。
BtoBにおける見込み顧客は、自社の課題に対してどう対応できる企業なのかを確認しようとしている。そのためには、現場の知見、事例、具体的な対応範囲などを、発信者の視点で明示することが不可欠である。
内容を曖昧にすると検討対象にすらならない
「営業っぽく見せたくない」「宣伝色を出さないようにしたい」といった理由から、自社の強みや実績を控えめに書く企業は少なくない。しかし、それによって情報の厚みが失われ、比較検討の土台にすら上がらなくなるケースも多い。
その逆で、ユーザーの知りたいことを無視した、無駄な自慢話が続く構成も目にする。
特にBtoBでは、読者が社内の意思決定者に提案するためにWebコンテンツを資料代わりに活用することもある。明確な情報が掲載されていなければ、検討段階で候補から外れる可能性が高くなる。
雑記ブログ化させないコンテンツ戦略
コーポレートサイトは公式メディアである
企業ごとにサイトの扱いや立ち位置は様々だが、企業のWebサイトは、会社としての立場で発信する公式メディアである。この前提が曖昧なまま、社内ブログや雑記的な情報が混在しているケースでは、情報の信頼性や一貫性が大きく損なわれる。
BtoBの顧客は、企業の信頼性と専門性を重視する。
個人の趣味性や感想が混じったコンテンツは、読み手を混乱させ、ブランドに対する不信感を生むリスクがある。
社員の声や想いは媒体を分けて発信する
社員の視点や経験談、代表者の想いを発信すること自体は否定されるべきではない。ただし、その情報が企業としての公式発言と並列で扱われるべきかどうかは慎重に判断する必要がある。
たとえば、社員ブログや代表コラムであっても、雑記のような内容は、外部ドメインでの運用や、別媒体での展開を検討すべき領域である。SNSや採用サイト、オウンドメディアを使い分けることで、情報の整理とブランディングの明確化が図れる。
一貫性のある情報設計が信頼につながる
Webサイト全体で発信しているメッセージが矛盾していると、ユーザーは迷い、判断を保留したまま離脱する。特に初回訪問時に感じた印象が、問い合わせや商談への第一関門となるため、情報の一貫性はサイト全体で維持される必要がある。
専門性が高いテーマであっても、記事ごとの文体、構成、視点がバラバラになっている場合、内容の信頼性まで疑われる。コーポレートサイトでは、情報の正確さ以上に、企業としての整った発信が重視されることを意識する必要がある。
情報設計は読者視点で統制する
どのような情報が必要か、どの範囲まで扱うかは、発信側の都合ではなく、読者が求めるものを基準に設計する。意図せずコンテンツ内容が雑記化してしまう原因の多くは、テーマや読者を特定しないまま、書ける内容を優先して発信してしまう点にある。
企業サイトでは、読者・目的・接触段階に応じたコンテンツ整理と運用ルールの明確化が欠かせない。場当たり的な更新ではなく、全体方針に基づいた発信が、結果的にSEOとブランドの両面で効果を発揮する。
キーワード選定の考え方と来てほしい人の集め方
流入数よりも流入の質が重要
SEO対策では、検索流入数を増やすことが目的になりがちだが、本来の目的は成果につながるユーザーを獲得することである。
特にBtoBにおいては、単なる訪問者数ではなく、問い合わせや資料請求に至る確度の高い訪問者がどれだけいるかが成果指標となる。
アクセス数を追い求めすぎると、本来ターゲットにしていない検索ニーズまで拾い、結果的に直帰率の上昇やCVRの低下を招く。SEOの指標は数ではなく、意味のある訪問をどう増やすかである。
高確度ユーザーの使う言葉を拾う
キーワードを選定する際は、市場全体で検索されている語ではなく、ターゲットとなるユーザーが実際に使っている語彙に注目する必要がある。たとえば「業務効率化 ツール」といった広義のキーワードではなく、「製造業 工数管理 クラウド」のように用途・業界・課題が具体化された複合ワードの方が、CVにつながりやすいこともある。
ボリュームのあるキーワードで上位表示されることと、成果が出ることは別問題である。狙うべきは、業務課題に直結する検索語、比較検討段階で使われる検索語である。
「出したくないキーワード」も設計に含める
企業によっては、ブランドイメージや炎上リスクを避けるために、「このキーワードでは検索に出したくない」という判断をすることがある。ただし、完全に除外するのではなく、意図的にコントロールすることが重要である。
そのキーワードに対して、自社の立場や対応方針を説明するコンテンツを用意すれば、検索エンジンにもユーザーにも文脈が伝わり、誤解やネガティブワード流入の影響を抑えることができる。
インデックスのコントロールがSEOの精度を上げる
SEOは「検索結果に出ること」が目的ではない。出すべきではない情報を出さないことも、戦略上の重要な設計要素である。関連性の低いコンテンツや雑多なキーワードがインデックスされていると、本来評価されるべきコアなページの価値が分散してしまう。
検索精度とCVRを高めるためには、インデックス対象となるページ・キーワードの質を管理し、不要な露出を初期段階から抑制する構造設計が求められる。
チャネルごとの役割分担と一貫した設計
チャネルごとの目的を明確にする
複数のチャネルを運用する場合、それぞれの役割と目的を明確に区別しておかなければ、情報が分散し、ユーザーの混乱や信頼の低下を招く。特にコーポレートサイトは企業の基盤であり、他のチャネルとの連携設計が整っていなければ、効果的な集客や訴求は望めない。
たとえば、ブログ、LP、SNSといったチャネルは、それぞれ以下のような目的で設計されるべきである。
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コーポレートサイト:企業全体の信頼性と公式情報の集約
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ブログ:テーマごとの専門性の深掘りとSEO流入の獲得
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LP:広告流入に対する短期的なコンバージョン獲得
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SNS:企業姿勢の発信と接触頻度の確保
どこで何を伝えるかが定まっていない状態は危険で、ユーザーは意思決定の途中で離脱しやすくなる。
コーポレートサイトを基点とした導線設計
あらゆるチャネルで情報を発信したとしても、最終的に行動につながるのはコーポレートサイトという導線設計はわかりやすい構成例である。したがって、他チャネルで得た接触を確実にサイトへ還元する導線設計が必要になる。
SNSやブログ記事から流入したユーザーが、会社の概要、事業内容、問い合わせ窓口へスムーズに移動できるよう、リンク構造やナビゲーションは整理されていなければならない。
チャネルを分けることは目的の分離であり、ユーザー体験を断絶させるものであってはならない。すべてが一貫した設計思想で統一されていることが前提となる。
コンテンツは読者課題に特化させる
ブログやコラムのコーナーを運用する際には、「誰に何を伝えるか」が明確でなければ、情報の雑多化が進み、コーポレートサイト全体の信頼性にも悪影響を与える。読者の課題を特定し、それに対して具体的な解決策を提示する構成とすべきである。
雑記型の記事や社内の日常といった内容は、専門性や実務性を損なう原因となる。必要であれば、別ドメインや別媒体での発信を検討し、公式情報との混在を避ける。
LPは成果に直結する構成に徹する
ランディングページはSEOよりも、広告経由の流入から即時成果を得るためのチャネルとして設計されていることもよくある。そのため、デザインやブランドトーンもコーポレートサイトとは異なる設計が許容されるが、必要な情報が過不足なく揃っていることが前提条件となる。
見た目を優先しすぎて内容が不足していたり、導線が不明瞭なLPは、広告費用を浪費する原因となる。CTAの位置や構成は検証と改善を前提として設計することが不可欠である。
SNSは親しみと透明性を伝える場とする
SNSは再生数やフォロワー数だけを評価指標にするのではなく、企業の姿勢や日常的な信頼性を伝えるためのチャネルとして位置づけるべき。
たとえば、業務の裏側、社内文化、スタッフ紹介など、採用や取引先への信頼につながる情報を、継続的かつ計画的に発信する。人格のある発信スタイルを維持しつつ、コーポレートサイトへの導線を必ず設けておくことが重要である。
SEOにおけるコーポレートサイトの役割
指名検索への対応は最低限の前提
SEO施策において、まず対応すべきなのは指名検索への適切な情報提供である。企業名やサービス名で検索した際に、公式サイトが正しく上位表示され、かつ必要な情報へ直結できることは、信頼性を担保する最低限の条件である。
特にBtoBの場合、初回訪問前に社名での検索が行われることも多く、Web上での印象や情報の正確性が、商談の有無にまで影響する。
比較検討フェーズに情報を届ける
指名検索だけでなく、業界用語や課題に即したキーワードでも、比較・検討フェーズにいるユーザーの流入を意識したコンテンツ設計が必要である。特定のソリューションや機能に関する解説記事、事例紹介、導入メリットなどは、購入検討段階のユーザーを後押しする情報となる。
単なる情報提供ではなく、「この会社なら対応できそうだ」「選択肢に入れておこう」と思わせる構成と導線が成果を左右する。
ユーザー行動を前提に情報を設計する
SEOの目的は単なる流入増ではなく、ユーザーの行動を促すことにある。問い合わせや資料請求といった具体的アクションにつなげるためには、読み手が判断に必要とする情報が網羅されていることが求められる。
対応業務の範囲、導入実績、料金モデル、支援体制など、「問い合わせる前に知っておきたい情報」が整理されていることが、次の行動を後押しする条件となる。
他チャネルと連動した設計が成果を支える
ブログやSNS、LPといった外部チャネルとの連携においては、すべての流入がコーポレートサイトを最終着地とする場合、どのチャネルから訪れても、企業として伝えたい価値や実績が正しく伝わるよう、情報の一貫性を保つ設計が不可欠となる。
メッセージの整合性が取れていない場合、ユーザーは不信感を持ち、判断を保留したまま離脱するリスクが高まる。すべてのチャネルを統合的に捉えた設計思想が、SEOと成果の橋渡しとなる。

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