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SPF、DKIM、DMARCは、メールが本当にそのドメインから送られたかを、受け取る側が確かめるための仕組みです。 3つをまとめて「送信ドメイン認証」と呼びます。 このページでは、3つの仕組みと、それが防ぐ「なりすましメール」の4語を説明します。

用語(英語/日本語) 何の略か 確かめること 置き場所
SPF Sender Policy Framework 送ってきたサーバーが、許可されたサーバーか DNSのTXTレコード
DKIM DomainKeys Identified Mail メールに付いた電子署名が正しいか DNSのTXTレコード(公開鍵)
DMARC Domain-based Message Authentication, Reporting and Conformance SPFとDKIMの結果と差出人の表示が合うか。合わないときの扱い DNSのTXTレコード(_dmarc)
なりすましメール(Email Spoofing) 略語ではない (上の3つで防ぐ相手) なし

DNSとは、ドメイン名とサーバーを結びつける、インターネットの住所録です。 3つの設定は、どれもこの住所録に書き込みます。

これらはWebサイトの脆弱性ではないため、OWASP Top 10:2025 の分類には当てはまりません。

SPF(Sender Policy Framework)

  • 何の略か Sender Policy Framework の略です。
  • 日本語では 「SPF」と書きます。「エスピーエフ」と読みます。
  • 一言の定義 そのドメインのメールを送ってよいサーバーの一覧を、DNSに書いて公開する仕組みです。
  • どんなリスクがあるか SPFがないと、受け取る側は、送ってきたサーバーが正規のものかを判断できません。一覧に入れ忘れたサービス(問い合わせフォームの送信や、メール配信のサービス)から送ったメールは、迷惑メールに入ることがあります。
  • 影響を受ける運用 自社のメールサーバーのほかに、メール配信のサービスやフォームの送信サービスを使っている会社です。
  • 実際の事例 確認できませんでした。
  • 分類番号 CWE-290(なりすましによる認証の回避)です。仕様は RFC 7208 です。

DKIM(DomainKeys Identified Mail)

  • 何の略か DomainKeys Identified Mail の略です。
  • 日本語では 「DKIM」と書きます。「ディーキム」と読みます。
  • 一言の定義 送るメールに電子署名を付け、署名を確かめる鍵をDNSで公開する仕組みです。
  • どんなリスクがあるか DKIMがないと、メールが途中で書き換えられていないかを、受け取る側が確かめられません。転送されたメールは、SPFでは失敗しやすくなります。DKIMの署名は転送でも残りやすいため、SPFを補えます。
  • 影響を受ける運用 メールのサービスでDKIMの署名を有効にしていない会社です。
  • 実際の事例 確認できませんでした。
  • 分類番号 CWE-290(なりすましによる認証の回避)です。仕様は RFC 6376 です。

DMARC(Domain-based Message Authentication, Reporting and Conformance)

  • 何の略か Domain-based Message Authentication, Reporting and Conformance の略です。
  • 日本語では 「DMARC」と書きます。「ディーマーク」と読みます。
  • 一言の定義 SPFとDKIMの結果が、メールの差出人の表示(From)と合っているかを確かめる仕組みです。合わないメールの扱いと、結果の報告先も、ドメインの持ち主が決めます。
  • どんなリスクがあるか SPFとDKIMだけでは、差出人の表示を偽ったメールを止めきれません。DMARCがないと、受け取る側は、合わないメールをどう扱うかを決められません。
  • 影響を受ける運用 1日に大量のメールを送る会社です。Googleは、Gmailあてに1日5,000通を超えて送る送信者に、SPF、DKIM、DMARCの3つすべてを求めています。
  • 実際の事例 確認できませんでした。
  • 分類番号 CWE-290(なりすましによる認証の回避)です。仕様は RFC 7489 です。

なりすましメール(Email Spoofing)

  • 何の略か 略語ではありません。
  • 日本語では 「なりすましメール」と書きます。「送信元の詐称」とも言います。
  • 一言の定義 差出人の表示を偽り、別の会社や人が送ったように見せかけたメールです。
  • どんなリスクがあるか 取引先や顧客が、自社の名前のメールを信じて、偽のサイトでパスワードを入れたり、偽の口座に振り込んだりするおそれがあります。
  • 影響を受ける運用 会社のドメインでメールを使っているのに、SPF、DKIM、DMARCのどれかを設定していない会社です。メールを送っていないドメインも、なりすましに使われることがあります。
  • 実際の事例 個別の会社の被害事例は、確認できませんでした。
  • 分類番号 CWE-290(なりすましによる認証の回避)です。

自分のドメインで確かめる方法

確かめるのは、自分が管理するドメインだけにします。 次のコマンドで、DNSに書かれた設定を見られます。example.com は自分のドメインに置き換えます。

nslookup -type=TXT example.com
nslookup -type=TXT _dmarc.example.com
  1. 1行目の結果に v=spf1 で始まる行があれば、SPFは設定されています。
  2. 2行目の結果に v=DMARC1 で始まる行があれば、DMARCは設定されています。
  3. DKIMは、メールのサービスごとに名前(セレクタ)が違います。受け取ったメールのヘッダーにある DKIM-Signature の s= の値で確かめます。

プロンプト駅の「メール認証とDNSの点検」に、DNSの設定を貼ると、足りない点をAIに出させる文を作れます。

直し方の要点

  • メールを送るサーバーとサービスをすべて洗い出し、SPFの一覧に入れます。
  • 使っているメールのサービスで、DKIMの署名を有効にします。
  • DMARCは、まず p=none(何もせず報告だけ受け取る)で始めます。報告で正規のメールが合格しているのを確かめてから、p=quarantine(迷惑メールに入れる)や p=reject(受け取らない)へ強めます。
  • メールを送らないドメインには、SPFで v=spf1 -all(どこからも送らない)と書きます。

出典

  • Google「メール送信者のガイドライン」(Gmail ヘルプ) https://support.google.com/mail/answer/81126
  • IETF「RFC 7208 Sender Policy Framework (SPF)」 https://www.rfc-editor.org/rfc/rfc7208
  • IETF「RFC 6376 DomainKeys Identified Mail (DKIM) Signatures」 https://www.rfc-editor.org/rfc/rfc6376
  • IETF「RFC 7489 Domain-based Message Authentication, Reporting, and Conformance (DMARC)」 https://www.rfc-editor.org/rfc/rfc7489

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