サブドメイン乗っ取りとは 解約したサービスを指すCNAMEが残ると自社の名前で偽サイトを出される
サブドメイン乗っ取りは、使い終わったサービスを指すDNSの設定が残っているときに起きます。
攻撃者は、同じ名前でそのサービスを契約し直します。
すると、自社のサブドメイン(例 campaign.example.com)で、攻撃者の作ったページが表示されます。
| 用語(英語/日本語) | 何の略か | 何が問題か |
|---|---|---|
| サブドメイン乗っ取り(Subdomain Takeover) | 略語ではない | 自社の名前で偽のページを出される |
| CNAME | Canonical Name | 解約先を指したまま残る |
| 放置サイト(Abandoned Site) | 略語ではない | 更新されず、古い脆弱性が残る |
サブドメインとは、example.com の前に名前を足した shop.example.com のような住所です。
サブドメイン乗っ取り(Subdomain Takeover)
- 何の略か 略語ではありません。
- 日本語では 「サブドメイン乗っ取り」「サブドメインテイクオーバー」と書きます。
- 一言の定義 自社のサブドメインを、第三者が自分のサイトとして使える状態にされることです。
- どんなリスクがあるか 自社の正式なドメインの下に、偽のログイン画面や不正なプログラムを置かれます。利用者は、住所が正しいので偽物と見分けられません。Microsoftは、このように解約済みの先を指したまま残るDNSの設定を「dangling DNS(宙ぶらりんのDNS)」と呼び、注意を促しています。
- 影響を受ける運用 キャンペーンや期間限定のサイトを、外部のクラウドサービスで作っては解約している会社です。DNSの担当とサイトの担当が別の会社です。
- 実際の事例 個別の会社の被害事例は、確認できませんでした。
- 分類番号 CWE-672(期限切れや解放済みの資源を使い続ける欠陥)です。OWASP Top 10:2025 では A02:2025(セキュリティ設定の不備)にあたります。
CNAME(Canonical Name)
- 何の略か Canonical Name の略です。
- 日本語では 「CNAME」と書き、「シーネーム」と読みます。「別名のレコード」とも言います。
- 一言の定義 あるサブドメインを、別のドメイン名へ向けるためのDNSの設定です。
- どんなリスクがあるか CNAMEは、向け先のサービスを解約しても、自動では消えません。向け先の名前を第三者が取り直すと、サブドメイン乗っ取りが起きます。
- 影響を受ける運用 DNSの設定の一覧を、誰も見直していない会社です。
- 実際の事例 確認できませんでした。
- 分類番号 CNAMEそのものは欠陥ではありません。残したCNAMEは、OWASP Top 10:2025 の A02:2025(セキュリティ設定の不備)にあたります。
放置サイト(Abandoned Site)
- 何の略か 略語ではありません。
- 日本語では 「放置サイト」と書きます。
- 一言の定義 公開したまま、誰も更新も管理もしていないWebサイトです。
- どんなリスクがあるか 古いWordPressやプラグインが残り、知られた脆弱性で乗っ取られます。乗っ取られたサイトは、会社のドメインのまま、偽の広告や不正なプログラムの配布に使われます。
- 影響を受ける運用 担当者の異動や、制作会社との契約の終了で、管理者がいなくなったサイトです。
- 実際の事例 確認できませんでした。
- 分類番号 CWE-1104(保守されていない外部のプログラムの使用)です。OWASP Top 10:2025 では A03:2025(ソフトウェアのサプライチェーンの失敗)にあたります。
自分のドメインで確かめる方法
確かめるのは、自分が管理するドメインだけにします。
- DNSの管理画面で、CNAMEの一覧を書き出します。
- 1件ずつ、向け先のサービスを今も契約しているかを確かめます。
- ブラウザでそのサブドメインを開き、「見つかりません」などのサービスの既定の画面が出たら、乗っ取られうる状態です。
次のコマンドで、1件のCNAMEの向け先を見られます。
nslookup -type=CNAME campaign.example.com
プロンプト駅の「メール認証とDNSの点検」に、DNSの設定の一覧を貼ると、残っていそうな設定をAIに出させる文を作れます。
直し方の要点
- サービスを解約する前に、そのサービスを指すCNAMEを先に消します。
- サイトを閉じるときは、サイトの削除、DNSの削除、契約の解約を1つの手順にまとめます。
- 年に1回など決まった間隔で、DNSの設定の一覧と、契約中のサービスの一覧を突き合わせます。
出典
- Microsoft「Prevent dangling DNS entries and avoid subdomain takeover」(Microsoft Learn) https://learn.microsoft.com/azure/security/fundamentals/subdomain-takeover
- OWASP「Subdomain Takeover Prevention Cheat Sheet」 https://cheatsheetseries.owasp.org/cheatsheets/Subdomain_Takeover_Prevention_Cheat_Sheet.html
関連するページ
- Webセキュリティ用語辞典の索引
- SPF・DKIM・DMARC(メールのDNSの設定)
- Webサイトセキュリティ診断では、サブドメインの向け先を外から点検し、修正方法を添えて報告します。
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